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久喜かわしま眼科

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医院からのお知らせ

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クリアビジョンジュニアEXと近視 

2019年4月8日に当院で取り扱いを開始したロート製薬「クリアビジョン ジュニアEX」について勉強会をおこないましたので報告します。

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近年、近視の人口は、世界的に増加している。日本においても、子どもの視力低下は進んでおり、最近の統計では、高校生の6割以上、中学生の5割以上、小学生の3割以上が視力1.0未満であると報告されている(文部科学省 平成29年度「学校保健統計調査」)近視は、生活の不便さだけでなく、状況によっては視覚障害に繋がる可能性があるため、特に近視が進みやすい学童期に有用なアプローチが望まれている。

従来近視には、遺伝が関与すると考えていたが、遺伝だけでなく生活習慣などの環境因子も大きく関与することがわかってきた。両親が近視でも、野外活動(1日2時間)を超える子は近視になりにくいとの報告が複数の研究グループから報告されている。しかし、1日2時間以上屋外遊びをする子は、小学生でも13.7%(「第2回放課後の生活時間調査2013」)であり、近年の子供たちは外遊びやスポーツの時間が減ってきていると考えられる。

慶応大近視研究チームは、屋外環境で浴びる、バイオレットライトが近視抑制の可能性を発見した。バイオレットライト(可視光線360~400nm)が、近視進行を抑制するメカニズムとしてEGR1遺伝子が関与している可能性が示唆された。

Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression.Torii H, Kurihara T, Seko Y, Negishi K, Ohnuma K, Inaba T, Kawashima M, Jiang X, Kondo S, Miyauchi M, Miwa Y, Katada Y, Mori K, Kato K, Tsubota K, Goto H, Oda M, Hatori M, Tsubota K. EBioMedicine. 2017 Feb;15:210-219.(当院川島医師も共著者の一人です!)

くちなし由来の色素成分「クロセチン」は近視抑制に関連するEGR1遺伝子の発現を高める効果があり、さらに近視誘導モデルにおいても近視進行の程度を示す「眼軸の伸び」と「屈折度数の変化」を有意に抑制することが確認された。

学童期の眼軸長の伸長が近視の進行に大きくかかわると言われており、10歳くらいで眼軸の伸長が止まることなく過剰に伸長すると近視が進む。今回の結果は「クロセチン」が近視抑制を抑える可能性があることを示唆している。

クロセチンはクチナシの実や、サフランのおしべに含まれる色素性分であるが、人の体内で生成されない。また、必要量を食事で摂取することは困難である。

「クリアビジョン ジュニアEX」は、小学生対象の臨床検査結果ありサプリメントだが医薬品に近い。医療機関のみで販売される。

6才から服用でき、味は無味無臭の小粒なソフトカプセルである。

すぐ結果はでないため、6か月くらい飲み続けることは必要である。

近視が良くなるわけではなく、進行するが、その進行の程度を抑制する効果が期待されている。

クリアビジョンジュニアEX                    (記:視能訓練士 増渕)

ーー→こちらもご参照ください:学校健診で視力低下を指摘されたら…。

久喜かわしま眼科(埼玉県久喜市:アリオ鷲宮西隣り&ケーズデンキ鷲宮店隣・2018年1月31日開院。久喜市、鷲宮、菖蒲、栗橋をはじめ、幸手市、加須市、宮代町、杉戸町、白岡市などからもアクセス便利です。)
○主な診療内容:眼科一般診療、日帰り白内障手術、日帰り網膜硝子体手術、日帰り眼瞼手術、緑内障治療、硝子体内注射、レーザー治療 など